日本本社側で経営層の方とお話をしていると、中国事業所でついては「弊社は環境コンサルタントに依頼し、サポートしてもらっています。」と言われる事がおおくあります。
「そんな多くの環境コンサルは中国に無いはずだが」と、いつも違和感を感じています。
多くの皆さんが言われる「環境コンサル」とは何の事なのか、どうも私と理解が違っているのではないかと疑問に思い、少し整理してみました。
上の図に登場するのが中国に於いて環境対策を取る場合に関係する人物(機関)一覧となります。
右側民間企業の①の事を多くの皆さんが「環境コンサルタント」だと思い込んでいるんです。これが大きな間違いなのです。
彼らはあくまで資料を作成してくれる国家資格を有する民間企業にすぎず、日本で言うならば「環境専門の行政書士」当たりが良いところでは無いでしょうか。
コンサルタント、コンサルティング会社だから「助けてくれる人たち」だと理解してしまっているのでしょう。
たしかに「助けてくれる人たち」ではありますが、日本人が抱いているようなサポートをしてくれるわけではありません。
「環境F/S(環境影響評価)作成業者」が担う仕事は、あくまで環境に影響を与えるであろう事項を確認し、それを書類として作り上げ、お墨付き(技術的に認証する)を与える事であり、各工場の問題点や課題等を抽出し、改善の指導や、設備の適不適を指導するものでは無いのです。
本社側の認識では、コンサルに依頼しているから「各工場の問題点や課題等を抽出し、改善の指導や、設備の適不適を指導してくれている」と思っているようですが、これは大きな勘違いです。
上述したように、多くの日本企業が依頼している環境コンサルは、環境F/S(環境影響評価)作成業者のことであり、彼らは各工場の問題点や課題等を抽出し、改善の指導や、設備の適不適を指導するものでは無いのです。
今年に入ってから当社がサポートさせて頂いた企業は以下のような状況です。
この中で法令・条例などに適合して適正な運営をされていいた企業は1社だけでした。
43社中、42社は違法状態で運営をされておられましたが、ほとんどの企業は「自覚症状」はありませんでした。
まずは、事業所の現状診断を行う事が重要です。その上で問題点を正しく認識し速やかな対策を講じる事をお勧めします。