【中国】中国における環境規制の最新動向およびリスク管理体制について

一般財団法人日中経済協会よりJC ECONOMIC JOURNAL 3月号の中国ビジネスQ&Aで、「中国における環境規制の最新動向およびリスク管理体制について」が配信されました。

⇒ 日中経済協会:情報元(PDF)

北京金誠同達法律事務所シニアパートナー弁護士の趙雪巍氏によりポイントを要約して説明されています。※以下、抜粋

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3)厳しい罰則規定

史上最強の環境法と評価されているほど、新法には厳しい罰則規定が設けられています。まず、企業が環境法に違反した場合の個人責任として15日間まで身柄拘束が規定されています。違法企業には二つのタイプの人が拘留対象となります。一つは直接担当者(例えば、工場内の環境担当課長)、もう一つは直接責任者(環境問題を管轄する企業のトップ)となります。拘留事由は四つあります。 ①環境アセスメントをせずに工事を強行し、差し止めが命令されたが従わなかった場合。 ② 汚染排出規定に違反し、汚染排出許可証を取得せずに汚染物を排出し、中止が命じられたが従わなかった場合。 ③ 国が生産・使用を明文禁止している農薬などを生産・ 使用し、是正が命じられたが従わなかった場合。 この三つとも、違反に対する是正命令があったことを条件としているため、拘留の事前警告ともいえます。しかし、④ 暗渠、不正な吸水坑、排水口、流し込みまたは監視データの改ざん、偽造、または汚染防止設備の不正運転等の監視回避方法で汚染物を排出した場合、事前警告なしに拘留される可能性があります。次に制裁金の日割連続計算方式が導入されました。すなわち、企業が汚染物を違法に排出し、制裁金の処罰を受け、是正が命じられたが、それを是正しなかった場合、制裁金は、是正を命じた日の翌日から、是正される日まで、日割りで連続計算して処罰するとされます。これによって環境法違法の経済的リスクが大きくなりました。なお、環境保護部門が企業に対して汚染に使用される施設・設備を差押、押収することが明記されました。また重大な違反の場合、例えば汚染物排出基準に違反し、あるいは重点汚染物排出総量規制の指標を超えて汚染物を排出した場合は、生産制限・是正を命じられる可能性があり、地方政府の認可があれば、操業停止と工場閉鎖までも命令できるとされます。このような措置を本格的に適用し、企業の環境法違反を根絶しようとの強行姿勢が伺えます。

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これについては、環境部門より「是正命令」が出ていた事を日本人管理者(総経理)が把握していなかった事例があります。

環境部門とのやり取りなどをローカルスタッフに任せっぱなしにしており、重要な情報が日本人管理者に報告されていなかったケースですが、多くの日系企業でも同様のリスクを抱えている事でしょう。

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3.日系企業の対応留意事項

一つは環境アセスメントです。中国では、環境アセスメ ントを三つのタイプで分類管理しています。具体的にいうと、汚染物の発生可能性が大きいところには環境影響評価報告書の作成が必要で、割に影響が少ない場合は報告表になり、あまり影響のないところでは登記表になります。一番厳しいのは環境影響評価報告書です。改正後の環境影響評価法によると、環境影響評価手続をせずに、無断で建設工事を着工した場合、従来の上限20万元を廃止して、建設プロジェクトの投資総額の1~5%の制裁金が課されるとされます。さらに、自己管理については、以前作成した環境影響評価報告書が今の工場の実態に合っているかどうか、変更すべきところは変更手続を行ったか、も しくは取り直ししなかったこともあるかもしれないので、再度点検して、昔のままでは現在の工場の状況に合致していない場合、適宣是正しなければなりません。 もう一つは汚染物の排出基準問題です。現在、それぞれの企業は汚染排出許可証を取得しており、そこで排出量が明確的に定められ、その量の範囲内であれば問題ありませんが、もし実際に発生した排出量がその範囲をオーバーしている場合、すぐに是正しなければなりません。それに、企業は許可証を持っているが、それが最新の許可証であるかどうかを確認すべきです。場合により、既に期限が切れていることがあれば、自治体・地方政府は既に基準を厳しくして、それぞれの期限に対して上限の数値を下げるような行政命令があった可能性もあります。今持っている許可証が最新のものかどうか、同時に自治体・地方政府が新たな規制を発令しているかどうかを確認する必要があります。日系企業は、環境問題に常に積極的に取り組んでいますし、模範的な存在であると高く評価されています。しかし、日々法律が変わり新たな法律もどんどん現れ、環境基準が厳しくなり、排出基準の量の管理も厳しくなっています。 このため、それに合わせて、法的な規制に当たる内容について、モニタリングし、最新のものを適時チェックすることが必要です。特に環境規制がますます厳しくなる中国では、 重大な注意を持って積極的に取り組んでいただけるよう期待します。一方、中国の環境法規制は複雑であるので、必要に応じて弁護士や環境コンサルタント等の専門家の力を借りることも大事です。

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趙雪巍弁護士も最後に必要に応じて「専門家の力を借りる」と書かれていますが、現実的には「日々法律が変わり、新たな法律もどんどん現れ」ている中国の現状では、自社リソースだけでの対策はほぼ不可能に近い状況となっています。

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