適した市場

基本的に私は日本(名古屋)と上海をベースに生活してますが、中国国内、日本国内他、韓国やアメリカにも出張に出る機会があります。日本に戻り生活しているといつも思う事があります。日本国内の景気はぱっとしませんので暇な飲食店などが多いのですが、そう言った店に食事に入っても非常に高いクオリティでサービスを提供していると再認識します。日本では繁華街などは大手飲食チェーンはもちろんの事、多くの飲食店が乱立し、完全にお客様の奪い合いになっておりどこも激戦区です。しかし、まだ発展途上の地区に同じクオリティで出店すれば、完全に差別化できると思うのです。実は私が2005年に上海に技術サービス会社を設立したきっかけも、こう言った発想が基本となってます。当時の上海には技術をサービスすると言う概念は無く、技術会社は技術だけを提供すると言う認識しかありませんでした。たとえばエアコンが故障などして業者を呼ぶと、業者は挨拶も適当、養生もせず、椅子や机に土足のまま上がり作業を始めます。もちろん作業が終わっても掃除方付けもせずに帰ってしまいます。日本で普通に行っている挨拶、養生、方付け清掃などが上海では完全に差別化したサービスとなると確信した訳です。このような思いがあり、当時は技術サービス会社(技術服務有限公司)と言う分類自体が存在しなかったのですが、役所の方に詳しく説明して当社が始めて技術服務有限公司と言う名称の会社設立を設立する事が出来ました。

少し説明を加えますと、中国では行う事業により会社名の後ろの部分は役所の方で決められてしまいます。たとえば、上海○○貿易有限公司と言うのはまさしく貿易会社であり、上海○○食品有限公司となれば食品会社と言う感じです。○○の部分は希望の名前を申し出て他に類似商号がない事などが確認されれば受理されます。

従って、会社名を見れば何をしている会社なのかがすぐにわかります。色々な種類の事業を展開している企業などは、中国で事業を行う場合には事業ごとに会社を設立する必要が基本的にあり、そう言った企業体を中国では○○集団と読んでいます。

当然ながら日本とは異なり外国ですので、中国は中国のルールで法人に関する法律も存在する訳です。前のブログでも書きましたが、中国で法人を設立するのは簡単な事ですが、事業を開始してから日本とは異なる色々なルール(法律)が存在しますので、そう言った点を気を付けて会社運営を行わないと法令違反で突然罰金を科せられたり、呼び出しを受けたりします。コンプライアンスを重視しています、と言う大手企業が今は多いのですが、そもそも中国でのコンプライアンスが何なのかもよくわからずに運営している大手企業が多いのも現実です。資本力の低い中小企業では突然の行政指導は会社存続の危機にもつながります、普段から「ここは外国であり、ここにはここの法令がある」と言う事をしっかり認識して運営する事が重要です。

なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?

10月に日経BP社より発刊されました、

「なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?」に私の記事が取り上げられております。

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/194920.html

少し考えさせるタイトルです。実際は大企業もうまくいってませんので。

・今までに、私の記事が掲載されている主要なメディア

2010年7月号 日経トップリーダー

2010年12月12日 朝日新聞

2011年1月3日10日号 アエラ(AERA)

2011年4月号 日経トップリーダー

今年は、当STECOグループの上海清環環保科技有限公司総経理である江頭利将と一緒に本を出版したいと考えているところです。

多くの日本企業が中国ビジネスで苦戦している現状を目の当たりにしてきましたので、何とかビジネスの成功率が少しでも高くなるように我々の経験を生かして頂き、日本の為に少しでも役立ちたい思いで一杯です。