2017年6月1日より始まる上海市の省エネ補助金制度について、2017年4月28日に上海市经济和信息化委员会、上海市发展和改革委员会、上海市财政局が連名で《上海市工业节能和合同能源管理项目 专项扶持办法》を発布しました。

上海市経済和信息化委員会HP情報元:http://www.sheitc.gov.cn/sjxwxgwj/673782.htm
工場などの事業所にて補助金対象となる省エネは、以下の内容となります。
国家産業政策に合致し、現在持っている技術、設備に対して改造を行う;年に標準炭換算で300トン以上の削減に達する省エネ技術改造プロジェクト。
本市の省エネサービス機構が工業(産業)、建築、交通及びインフラなどの分野で省エネ効果と利益分配或は省エネ量保証のモデルで実施した合同能源管理項目は、一つのプロジェクトにて年間に標準炭換算で50トン以上を削減するプロジェクト。新設の工事プロジェクトが合同能源管理モデルを採用することを支持する。
国家「トップランナー」目録に入っている、もしくは2級以上のエネルギー効率がある高効率モーターを購入して利用する本市企業。この中でモーター駆動の風力機械、ポンプ、エアーコンプレッサーは少なくとも2級のエネルギー効率レベルに達している。省エネサービス機構より購入した場合は必ず本市でインストールしなければならなず、さらに単一の企業が購入したモーターの総出力は300KW以上。
今回の補助金制度を読み解きますと、事業所が自ら省エネを行い補助金を獲得するのは現実的には困難な内容となっています。
市政府としては省エネサービス産業の育成(発展)を主な目的として補助金制度を改定したようです。
事業所が自ら省エネした場合は、標準炭換算で300t/年の削減以上が補助対象となっていますが、省エネサービス機構に委託して、ESCO方式や省エネ効果保証などの方法で省エネした場合は50t/年以上の削減で補助対象となっています。
現実的に年間に標準炭換算で300tの削減は相当に大きなプロジェクトでなくては達成は困難です。
当社が実際に行った省エネにて一例を上げますと、蛍光灯(40W)より蛍光灯型LED(16W)に改造したお客様の場合、1772本を入替えて年間に標準炭換算で107tの削減となりました。また、一定速の37kWの旧型エアーコンプレッサーを37kWの新型インバーターエアーコンプレッサーに入替えて調整を行った場合では、標準炭換算で28tの削減となっています。
300t/年削減となると、随分と大変な事がわかると思います。
しかし、省エネサービス機構に委託して省エネ改造などを行えば、50t/年以上の削減達成で補助対象となりますので、市政府は「省エネサービス機構」に委託して省エネしなさいと言っているようなものです。※省エネサービス機構に委託する場合は、効果保証が必須となります。
では、上海市に於ける「省エネサービス機構」とは? となりますが、上海市政府合同能源指導委員会より批准を受けた上海市の省エネサービス機構が公表されています。
情報元:http://www.emcsh.org/DocDetails.aspx?id=581

省エネサービス機構企業リストの27番目に当社が記載されております。

当社は日系では唯一、批准を受けた省エネサービス会社となっております。
2月14日のブログでも紹介しましたが、2017年2月4日に国家発展和改革委員会より発布された《战略性新兴产业重点产品和服务指导目录》では省エネに関しての重要項目が発表されています。この指導に基づいて上海市の補助金制度が改訂されたと推測できます。
2月14日ブログ
【省エネ分野の重要項目】
7 省エネ環境保護
7.1高効率省エネ産業
7.1.1高効率省エネボイラ・窯炉
7.1.2電機設備
7.1.3余熱・余圧・余気利用
7.1.4高効率蓄能、省エネ監測及びエネルギー計量
7.1.5高効率省エネ電器
7.1.6高効率照明商品及びシステム
7.1.7グリーン建築材料
7.1.8鉱業及び電力業界における高効率省エネ技術及び設備
7.1.9情報省エネ技術及び書エネサービス
以上
今回決定された補助金制度では、今までより大きな補助額が設定されています。ただ、上述しましたように企業が単独で省エネを行っても補助認定は困難でしょう。
省エネサービス機構を上手く活用することで、省エネ投資額の削減と政府に対しては省エネを実施した事の証明も同時に行えますのでメリットは非常に大きいです。
明日、明後日には《上海市工业节能和合同能源管理项目 专项扶持办法》の日本語訳をブログで紹介したいと思います。 環境 違反 日系 測定 土壌 排水 騒音 問題 コンサル
